経理で働いてみたいけど経験がないとやっぱり難しいのかなあ。
年齢は関係あるのかなぁ。
未経験からでも経理マンになれる?年齢は?資格は? 実際はどうなのでしょうか。
結論から言ってしまいますと、未経験(他の職種)からの財務経理職への転職は可能です。
経理はどこの会社にも必ずあり、それなりに安定しており、専門性や知識も必要で、一度経験しておくと、「手に職」にもなり、キャリア形成も可能です。
経理への転職を成功させるためのポイントや、経理業務についてなど、私の経験をもとにまとめてみました。
早速見ていきましょう。
経理への転職について
未経験からでも大丈夫?
誰でも最初は未経験です。
私はなぜ経理を選んだかというと、理由の一つに、圧倒的な求人の多さで、エージェントから一番に勧められたことです。当時すぐに働きたかった私にとっては、魅力的な職種でした。
やはり経験者向けの求人が多めですが、エントリーレベルの求人もあるのでチャンスはあります。
でも簿記は必須だよ
新卒の場合は応募の時点で経験、資格がなくても大丈夫かと思いますが、中途採用の場合には、資格は絶対取っておくことをおすすめします。(なぜかというと、経理は経験だけでなく資格で知識を証明できる職種だからです)
簿記3級はマストで、私は独学で取得(資格の学校TACのテキスト使用)して、それから経理の仕事に応募しました。
簿記の3級は、経理を目指していない方でも取得する人も結構いますので、目安として3か月ぐらいで合格は可能だと思います。
3級の後は2級の勉強も始め、2級も取得しました。できれば就職の前に2級まではとっておくことをおすすめします。
2級は学校(大原)で取得しました。(計算が苦手で工業簿記は独学では難しいと判断したため)
もちろん、1,2回の応募で転職できたわけではありませんが、最初はとにかく経験が欲しかったので、とりあえず日系中小企業で少し経験の後、次は外資系のファイナンスチームに転職しました。
面接で、面接官の公認会計士に固定資産売却の仕訳を聞かれた事があるので、簿記は絶対勉強しておきましょう。
経理に年齢は関係ある?不利になったりすることは?
私は30代で初めて経理職につきましたし、元同僚は43才で、カスタマーサポートから経理に転職しました。
経理を含めた管理部門系は年齢はそれほど不利にはならないと思います。
また今では40代以上の転職も全く普通ですし、職場によっては逆に若い方より、40代以上を積極的に採用したいという会社もあります。
年齢はそんなに気にする必要なし!
未経験を考えた場合、若い方の方がポテンシャル採用の可能性は高くなるかと思いますが、30,40代でも資格を取得すればチャンスはあります。
仕事内容は最初はエントリーレベルからのスタートにはなってしまうかもしれませんが、その後のキャリアアップが可能で、年齢に関係なく活躍できます。
未経験から転職。志望動機はどうする?
応募先にもよりますが、未経験の場合は経理に対してのやる気と熱意のアピールでしょうか。
などでしょうか。
思うに、面接は合う、合わないがあると思っていて、合う場合ですとそんなすごい事を言わなくても、すごいウェルカムな雰囲気で楽しく話している間に、面接も終わって、二次面接依頼もきて、、、みたいな感じだと思います。
面接は相性
経理のメリット
どこの会社にでも必ずある、必要とされる
まずはこれでしょう。大手、中小企業、IT業界、製造業界など、業界や会社のサイズに関係なく必ずある部署です。(アウトソースしてしまっている会社以外)
会社によっては財務経理部がかなりの権限を持っていたりして、他の部署に対して発言力が大きかったり存在感が大きかったりします。(組織によってはそうではない場合もあります)
また男女平等がより強い傾向があると思います。
またそれなりの知識を有していると思われ、ちょっと一目置かれたりもします。
ある職場では経理に限らず、いろいろな相談(キャリアについてなど)を受けたりすることもありました。
経理は守秘義務あるし、信用度が高いよ
専門知識やスキルを磨ける
経理は専門職で手に職になりやすく、資格で知識を証明できます。
資格は簿記だけではありません。私は米国公認会計士の資格がありますが、日本だけでなく海外でも活かせることができます。
またエクセルスキルやERP(システム)の経験、TOEICも必要になってきたりもします。業務の中で専門知識のアップデートもできます。
もちろん会社の中だけではありません、将来、自分でビジネスを立ち上げた場合や、家計簿管理などにも知識を活かすことができます。
簿記とお金の知識は今後も必須
結果、いざというとき転職もしやすい
業界特有の会計基準や会計処理があったりしますが、どの会社にもあり、基本の基本はだいたい一緒です。
また何かしらの理由で、しばらく仕事から離れていた場合でも、経理の場合は復職/復活もそう難しくはないと思います。また、以前勤めていた会社で、営業部から経理に移ってきた人がいました。
バックオフィスだけど意外と活躍できるよ
ワークライフバランスもとりやすい
突然、得意先から呼び出されたりなど、突発的なことはありませんし、繁忙期は決まってたりします。私の今の会社はみんな有給は全て使っていますし、長期休暇もあります。
在宅も全然可能
家で仕事はやはり通勤もないですし、ラクですよね。今はテレワークでやっています。たまに出社して、家にこもっての仕事もぜんぜん可能です。
在宅OKの会社を選ぼう
経理のデメリットは
ワークバランスよくても、絶対繁忙期はある。
会社によりけりなところもあります。私の会社は残業はほぼ無しなのですが、月末月初はちょっと忙しかったり、年に一回の繁忙期はやはりあったりします。
外資系の場合 GWやお正月をちょっと台無しにされる
お正月休暇やGWは日本だけの休みです。海外が休みではないため、出勤になったりします。(もちろん代休はとれますが)
外資系ファイナンス部の最大のデメリット
目標設定が難しい
営業部や技術部などと違い、数字を持たされていないため、数字での評価が難しいです。また目標設定の時にも直接的な数字達成目標がありません。ですので目に見える達成感があまりない時もあります。
人と接するよりは一人でコツコツな業務が多い
一人での作業が多くなります。人によっては合う、合わないがあるかもしれません。
基本は一人作業かもしれませんが、コミュニケーションも必要な仕事ですので、ずっと一人というのはないです。(チーム内で楽しくしゃべってます)
では、経理業務の年収はどのくらい?
気になるのはやはり年収ですよね。
経理業務の平均年収は513万円となっています。
また地域でも異なるようで東京都が高くなっています。
もちろん、経験、スキル、資格、職務内容で年収は大きく変わってきます。
例えば、財務会計か管理会計か、役職があるかないかでも変わってきますし、
同じような仕事内容でも、年収の高い業界か、低い業界か、そして日系か、外資系だけで大きく変わってきます。
外資系の財務経理の年収については下記記事を参考。
未経験者の方の場合、まずはエントリーレベルからスタートすることになります。私が未経験で応募した日系企業は350万前後でした。
また経験がまだ浅い時に外資系に転職しましたが、その時は400-450万でした。
最初から高収入はやっぱり難しい。。。
未経験で初めからすごい高い年収は難しいかもしれませんが、その後、経験とスキル、資格など積み上げて、上を目指すことは可能です。
経理部での仕事内容はどんな感じ?
実はたくさんの業務があり、事業形態、ビジネスモデルなどによっても変わってきます。
※実際はプロジェクトもあったり、もっといろいろあります)
実はすごいいろいろある。
未経験の方が担当するのは、売掛金や買掛金の業務の一部になると思います。
日々の業務になり、まずはここで基本を経験して、ステップアップになっていきます。
私は支払業務からのスタートだよ
会社の規模によっても担当する範囲は変わってきます。
大手だと経理部に30人くらいいて、業務が細分化されています。反対に中小になりますと、3~10名程度で担当範囲がより大きくなります。
自分の経験からおすすめは、まずは初心者で大きな会社の細分化した業務を経験して、それから中小で幅広く担当して経験を積んでいくことです。
最初何も分からないうちは、経理部というものに慣れて、ERP(基幹システム)や業務の流れをなんとなくつかんで、一部分だけをとりあえず完璧にこなすといったかんじです。
大手で大きな経理だと、たくさんの人がいろいろな業務を担当してるので、いろいろな話が聞けたり、企業経理のおおまかなイメージがつかみやすかったです。
そしてそこで他の業務も経験してキャリアを築いていくというのがいいと思います。
しかしジョブローテーションが難しい組織もありますので、その場合には、転職も一つの手段です。
会社によりけりだね。専門を除いてあったほうがいいのかなって思う。
逆に先方に受け入れや教育の体制が整っているのであれば、中小企業からのスタートでも、もちろんいいと思います。幅広い業務を最初から経験できます。
*マイナビのプロモーションを含みます。
経理にはどのような能力が必要?どのような人が向いている?
責任感がある
責任感はどの仕事でも大事ですが、経理では特に大事です。
経理にはクローズ(締め)が必ずあります。絶対に休めない日もあったりもします。期限までに必ずやる、解決するといった能力が必要です。
どの仕事も責任感は大事だよね。
正確性
もちろん人間なのでミスは全くないのはちょっと難しいかもしれませんが、しかしミスはほとんど許されません。いつも間違えるのが当たり前という他の部署の方がいますが、こういう方は向いていません。
仕方ないことだけど、しょっちゅうは許されない。
コミュニケーションとるのが好き(コミュ力)
企業経理で働くなら、これはかなり重要です。一人で黙々とやっていることが多いようなイメージですが、他の人たちとのコミュニケーションも大事です。
特に上のポジションになると、他の部署から情報をうまく引き出すことや、いろいろ関わりも多くなりますので、人間性もとても大事です。
やっぱり人間力はどの仕事でも大事
中級レベルのエクセル、ERP(企業基幹システム)の使用に抵抗がない
パソコンがある程度使えることも必要です。特にエクセルはマスターしておきましょう。(上級までは必要ないです)簡単な関数が使える程度で大丈夫です。あとは入ってから実務で覚えましょう。
また会社では基幹システムを使用してオペレーションをすることになります。ERPを使用しての会計処理に抵抗がないことも大事です。(小さい会社では会計ソフトになるかと思います)
“SAP” や “Oracle” が有名だよ
守秘義務
経理(特に支払いサイド)は社内、社外のいろいろな秘密個人情報を知る立場にあります(知りたくないことも知ってしまう)ですので、口の軽い人は向いていません。
まとめ&アドバイス
未経験からのチャレンジは不可能ではありません。
しかし未経験であれば資格は絶対取っておくべきです。(できれば2級)私は簿記3級で就職活動しましたが、エージェントからは3級だと難しい、他の候補者が2級だったら、勝ち目はないなどいろいろ言われてしまいました。
3級で就職活動するなら、2級を勉強中にしておくといいと思います。前向きさをアピールできます。
今は日系企業でも英語が必要だったりしますし、簿記以外の資格や能力もアピールになります。
未経験なら他にアピールできるオリジナルな経験や強みがあるといいね。
また、エージェントをうまく活用して就職活動しましょう。
※求人案件は非公開案件と公開案件の二つありますが、優良な案件は圧倒的にエージェント経由の非公開案件になります。
→非公開案件は企業がお金をかけて優秀な人材を確保したい。ミスマッチを防げる。
→公開案件(エージェント経由以外)は採用にお金をかけたくない企業。ホワイト企業ではない可能性もある。誰でも自由に応募できるため、余計な時間と手間がかかり、企業側と応募者側どちらにもデメリット。
良いエージェント、コンサルタントは上手に話をすすめてくれたり、先方に紹介してくれたりしますので、書類選考など通過しやすいです。(公開案件を自分で応募したことも何回かありますが、面接まで行けたことはあまりなかったです)
※エージェントは複数登録がおすすめです。私も上記を含め複数登録しています。(いろいろ情報がもらえる)
また、せっかく経理をやっていくなら、経験と合わせて、さらなる資格(簿記1級、税理士(科目合格)、日本/米国公認会計士など)を勉強/取得することをおすすめします。
今後のキャリアや転職に有利になりますし、年収アップが可能だからです。
日系企業でしたら簿記1級や税理士の科目合格、日系グローバルでしたらIFRS検定(国際会計基準)
USCPAはコスパ最高の資格。
そして外資系、日系グローバルで働くなら、米国公認会計士(USCPA)もおすすめです(日本の公認会計士と違って、働きながらチャレンジする方が多いです)
AIで経理は、会計はどうなる?とって変わられないために
今、10年後に無くなってしまう仕事について、いろいろ話題になっていますよね。
経理、会計業界はどうなのでしょうか。
気になるよね
もちろん業務の中には今後、AI化されるものがあります。日々の入出金の仕訳のような業務です。
会計事務所でクライアントの記帳代行というのがありましたが、まさにこれです。
仕訳のもとになる書類を受け取り、会計ソフトに入力して、財務諸表まで作成、決算や申告までやるといったものです。
会計事務所で記帳代行ちょっとやってたことあるよ
今では自分でクラウドで簡単に会計帳簿は作れますし、単純な仕訳でしたらルールをプログラミングすればAIで十分に足ります。
決まったルールに従って、日々の仕訳や、月次、四半期決算など帳票類を作成するといった業務はAIのほうが正確で速いです。
つまり、ルール化できて計算を用いて処理できるような仕事は、AIにとって変わられる可能性が高いです。
AIと似たケースで、実際経験してきた外資系では、例えば経費精算はシンガポールでシェアード(日本や韓国などアジアの国の分をまとめて対応処理する)で、計上、支払いは上海で、などといったようなことは前からあります。
つまり単純な作業は、AI、シェアードサービス、アウトソーシングなどに切り替わる可能性が大きいということです。
ですので、それを超えた、人の判断や評価が必要なタスクを遂行できることが必要になってくるかと思います。
AIが処理をした結果に基づいてのアドバイスやコンサルティング、プランニングなどです。
例えば私の業務は、売上が特殊であるため、個々の案件が会計基準に準拠しているかについて判断し、最終レビューのような仕事だったりします。
人の判断と評価が入るため、AIではちょっと難しいのでは思っています。また、海外といろいろ連携して進めていく業務もありますのでこういう仕事もちょっと難しいのではと思います。
最初はエントリーレベルかもしれませんが、そこからスタートして付加価値をつけていくことが、やはり大事だと思います。
英語は世界共通と言われますが、数字も世界共通です。
ぜひ、あなたも国内、海外で財務経理・会計分野で活躍してみませんか?